田舎の行政書士の王道業務3選+α!の話

業務

役所を辞めて行政書士を開業しようと思うのですが、人口の少ない町で、行政書士のお仕事はどのようなものがあるのですか?

今回は当事務所がおススメする田舎の行政書士業務をご紹介いたします!特に公務員を退職して開業後、依頼が少ない方におススメとなる業務をご紹介します!

 

こんにちは。当事務所のブログへようこそ!

今回は「田舎で行政書士として開業したばかりの方」に向けて、私が実際に取り組んでいる“おすすめ業務”を3つ+おまけとして1つ紹介します。

特に、公務員を退職して行政書士として再スタートした方や、人口の少ない地域で開業したけれど「思ったより依頼が来ない…」と悩んでいる方に役立つ内容です!


はじめに

都会と田舎では、行政書士業務の需要も内容もまったく違います。

「行政書士で年収1,000万円!」という話もありますが、それは主に都市部での話。人口数千人レベルの地域では、そんな夢物語より、実際に「地域に必要とされる存在」になることが何より大切です。

田舎では「何でもできる行政書士」が求められます。最初は専門性よりも、地域の“じいちゃん・ばあちゃん”や“おっちゃん・おばちゃん”の痒いところに手が届くような対応を目指しましょう。

では、具体的にどんな業務があるでしょうか?


① 車庫証明業務

まずおすすめしたいのが「車庫証明業務」です。

田舎では車が生活の必需品。そのため、車庫証明のニーズは安定しています。

報酬額は1件あたり数千円〜と少額ですが、依頼から報酬受取までのサイクルが早く、開業当初の収入源として非常に有効です。

ポイント

  • 最初は月5件~でもOK
  • 丁寧かつ迅速な対応が次の受任につながる
  • 県外ディーラーや行政書士からの依頼もある(HP/SNS活用がカギ)

「車庫証明+自動車登録」のように、関連業務をまとめて受けると報酬アップにもつながります。


② 建設業関連業務

次におすすめしたいのが「建設業関連業務」です。      

建設業許可・更新・決算変更届・経審など、定期的な業務が多く、安定収入が見込めます。特に法人相手の仕事になるので、報酬金額も先に紹介した車庫証明に比べに大きくなります。

ポイント

  • 顧問契約的な関係が築ける
  • 許可更新の時期を狙って営業すると効果的
  • 他士業や先輩行政書士からの引継ぎ案件も多い

注意点として、大手建設業者の業務は手間がかかるため、最初は中小の事業者を対象にするのが無難です。


③ 農地関連業務

田舎ならではの業務といえば「農地関連業務」。       

農地転用や農地の売買など農業委員会に提出する申請書類の作成が中心です。

報酬も1件あたり10万円前後と比較的高単価ですが、申請受付期間が限られていたり、登記を伴う場合があったり、近隣トラブルを抱えている場合など難しさのある業務もあります。

ポイント

  • 経験や知識、人脈がモノを言う業務
  • 他士業との連携が必須になる場面も多い
  • 農業委員になるのもあり!?知識と人脈が得られて一石二鳥!

(農業委員の報酬は月数万円程度ですが、業務獲得のきっかけや信頼構築にも役立ちます。)


おまけ:あまりおすすめしない業務

相続業務は慎重に扱うべき

一見、ニーズが多そうに見える「相続業務」ですが、田舎では注意が必要です。

相続に絡む案件では、ほとんどのケースで「不動産登記」や「土地の分筆」などが発生します。これらは行政書士の業務範囲を超えており、司法書士や土地家屋調査士との連携が不可欠です。信頼できる専門家がいない状態で業務を引き受けてしまうと、対応に行き詰まる可能性があります。

さらに、次のようなリスクもあります:

  • 相続人が多く、調整に非常に時間がかかる
  • 戸籍収集に時間と労力がかかる
  • 他士業との業際問題が発生しやすい
  • お客様の期待と業務の範囲にズレが生じやすい
  • 書類作成だけで終わると思いきや、その後の登記なども依頼されがち

開業間もない行政書士にとっては、これらの業務を一人で背負うのはかなりの負担となります。また、親族間のトラブル等により最終的に報酬をいただけないケースも珍しくありません。

どうしても取り組みたい場合は、相続登記を専門とする司法書士事務所などで一度修行をするなど、経験を積む方法を検討すると良いでしょう。その上で書類作成のサポートなど部分的な業務を担い、信頼関係を築くことで、協業の幅が広がっていく可能性もあります。

開業初期は「パイプ役」「相談窓口」としての立ち位置を大切にし、お客様を信頼できる専門家に繋ぐことが、結果的に信頼と紹介を生む近道になるかもしれません。


まとめ

田舎で行政書士として安定した収入を得るには、地元に根差した「地域密着型業務」をコツコツ積み重ねることが重要です。

車庫証明・建設業関連・農地関連業務は、特に開業当初に取り組みやすく、継続的な収入源にもなります。

今回ご紹介したのはあくまで一例ですが、これから開業される方や、仕事に不安を感じている方にとって、少しでもヒントになれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!