行政書士開業の仕方の話

行政書士あれこれ

行政書士開業の仕方の話

このページでは、行政書士開業を考えている方、行政書士資格は有しているが登録していない方などに、どのようにすれば行政書士事務所を開業できるかを私の実体験をもとにご紹介していきたいと思います。私の備忘録のようなものでありますが大まかな費用や申請期間なども紹介いたしますので参考にどうぞ。

 

資格取得について

行政書士資格取得の方法として、大きく以下の方法があります。

①行政書士試験に合格すること

②弁護士や税理士などの資格取得者

③国、地方公務員として行政経験が20年以上(高卒は17年以上)になるもの

上記のうち、私は地元の役場に19年勤務したため③の方法により資格取得しました。(①②をお考えの方は、参考にならない部分もあるかとは思いますが、どうぞ最後までお付き合いください。)

自身の業務経験で資格が取れるか不安があられる方は、お住まいの都道府県の行政書士会へ問い合わせすると、教えていただけます。その際に、在職した事務所にて職歴証明を提出してもらうようにするとよりスムーズに確認できます。職歴にて行政書士登録をする際には、職歴証明書(公印付き)の提出が必須ですので、必ず確認しましょう!また、私のように定年前に退職する場合は、在職中に職歴証明の提出が困難な場合もありますので、その際は見込みでも良いので行政書士会に問い合わせ内諾を得ていた方が間違いないでしょう。(退職してから実は行政経験が足りなかったとなると目が当てられません。)

ちなみに私の職歴で言いますと、都市計画・建築分野で通算4年・一般土木分野で通算7年・農業土木分野で通算5年・税務分野で通算3年の計19年で証明していただきました。それぞれの部署で行政書士が携わることができる様々な業務を経験させていただきました。

行政書士登録について

資格を無事に満たし、行政書士として開業したいとなれば、行政書士会へ登録する必要があります。しかし、すぐに開業できるかと言えばそうではありません。既にある行政書士事務所へ雇われ勤務するのか、それとも自分で開業するのか。事務所を構えた場合に、接客などできる造りとなっているのか?など細かく要件があります。それら以外にも必要書類を記入し、入会金を準備しなければなりません。今回は私の例なので自宅開業する場合に登録申請に向け大まかに以下のようなものが必要となります。

①行政書士登録申請書(行政書士会に電話すれば記入様式を貰えます。)

(添付書類として戸籍や住民票、誓約書などが必要な場合があります。)

②行政書士登録履歴書(行政書士会に電話すれば記入様式を貰えます。)

③公務員職歴証明書(勤務した事務所の総務課や職員課などに問い合わせすると発行してもらえます。)

④高校卒業証明書(在職20年未満の場合は必要です。手数料が地味に1000円ほどかかります。)

⑤事務所配置図(作業机やプリンターの配置、応接セットの配置図などを作成する必要があります。パソコンでチョチョイと簡単に作成しました)

⑥事務所写真(デジカメやスマホなどで、外観・事務所内部などを見やすく撮影したもの)

⑦登録諸費用(宮崎県行政書士会の場合)

登録手数料・・・ 25,000円

入 会 金・・・250,000円

会 費 等・・・ 17,700円(初回のみ現金にて前納)以降3~4カ月おきに口座引き

計     約30万円ほど

⑧基準に沿った職印及び職印届出(ネットで数千円の物を購入しました。人前で押印することはほとんどないので、安物で十分だと思います。)

 

以上をすべて準備したのち、行政書士会へ提出します。不足する書類や、当日までに揃わない書類などは相談に乗ってくれますし、事前審査があるのでそこまで神経質になる必要はありません。また、これ以外にも必要なものがある場合は、教えていただけます。

後日、事務所調査の日程の連絡があり、事務所調査に数名の地区役員さんなどが訪れます。その際、簡単な面談などありますが、世間話をしているうちに終了しました。

その他、事務所運営に必要なものについて

もちろん行政書士事務所ですので必要なものは山ほどあります。パソコンやプリンターはもちろん事務用品などもそうですが、以下私が準備したものを思いつくまま列記します。足りないと思ったものは、後から買い足していけば初めのうちは時間が充分ありますのでそこまで急ぐ必要はありません。

初めに準備したもの

①パソコン・・・前職在職中に購入したノートパソコン約15万円

②インクジェットプリンタ・・・同じく前職在職中に購入したもの約4万円

③書棚・・・自宅からのおさがり

④応接机・・・自宅からのおさがり

⑤冷蔵庫・・・自宅からのおさがり

⑥各種事務用品・・・前職私物から流用(はさみやホッチキスなど)

⑦冷暖房機器・・・私物流用&頂き物(エアコン・ストーブ・扇風機)

⑧事業用口座クレジットカード

後から足していったもの

①パソコンデスク・椅子セット・・・3万円ほど

②パソコンモニター・・・2万ほど

③モニター台・・・5千円くらい

④レーザープリンター・・・1万円くらい

⑤各種消耗品

⑥加湿器・・・5千円くらい

⑦HP関連経費・・・1万円くらい

⑧挨拶回り手土産・・・2万円くらい

今後買う・支払う予定の物(あくまで予定です…。)

①事務所の看板・・・数万円

②事務所用のポスト・・・数千円

③事務所廻りの外構(舗装など)・・・数十万円

④サブPCや各種ソフトなど・・・数十万円ほど

⑤外回り用原付・・・十数万円

⑥高級外車・・・(買えるくらい頑張って儲けます)

 

以上、開業準備から開業直後にかけて50万円以上の出費が必要となります。事務所を賃貸とする場合はそれ以上の数百万円単位で必要になる場合もあるかもしれません。資金計画はしっかりと立てていた方がよいでしょう!

 

行政書士登録完了後について

事務所調査が終了した後、半月から一月ほどすると特に連絡が来ることもないですが、行政書士登録されています。なんで分かるかというと、どこからともなく営業の電話がジャンジャン鳴り始めるからです。似たようなHP業者が時間関係なく携帯で電話をかけてきます!私の場合は、固定電話を引いていなかったので、携帯にバンバンかかってきました。しかし焦ることなく1件1件丁寧に確認して着信拒否していきましょう!半年もすれば、この手の電話が月に1~2回しか掛かってこなくなります。

更に、しばらくすると、辞令交付式の案内が行政書士会よりありますので、指定された日に指定された場所へスーツを着て伺ってください。無事に登録証やバッジ、事務所の表示板などいただけます。

この際に職務上請求書も購入しておきましょう!(ちなみに私は交付式の際に買わなかったので、郵送にて後日購入しましたが、割高になります…。)

無事、辞令交付式が下りればあなたも立派な行政書士ですが、一つやり残したことがあります。

お住まいの管轄の税務署へ行き、開業届を提出してください。ガッツリ設ける儲けるつもりなら青色申告の一択ですが、退職後に小遣い稼ぎでいいやと思うなら白色でもなんとかなるかもしれません。

ここまでしてようやく開業したと言えるでしょう!簡単に書きましたが、すべて順調にいったとして1~2カ月ほどかかる出来事です。しかも他に収入の柱がないとなれば、これらを無収入で乗り切らなければなりません。

しかもここが終わりではなく、ようやくスタートラインに立った、正確に言うとまだスタート前の段階です。既に長々書いてしまいましたので続きはまたの機会にお話ししようかと思います。

それでは失礼いたします。